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食いしん坊シェフの食べ歩き記
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第6回 食いしん坊シェフの食べ歩き記 「蕎麦を喰う」
忘年某月某日

久しぶりに、梅の花と蕎麦を味わいに、散歩と洒落込んだ。

ここは受験生がたくさん祈願に見える神社である。
今年は寒さが長びき、梅の開花が大幅に遅れている。
5分咲きで、まだまだ見るには早いようである。

この近くに、好きな蕎麦屋がある。
ここの蕎麦は、たいそう黒い(多分これ以上黒い蕎麦はないと思う)。
ここでは冷たい蕎麦は食べず、毎回、暖かい蕎麦をいただく。
粘りの強い山芋をすり、大きく揚げたものを、のせた蕎麦である。
からりと揚がった皮を箸で割ると、中はふわふわの山芋がとろり。
風味の強い黒い蕎麦とぴったり。
(蕎麦の皮の部分を、使用しているが、なめらかな蕎麦である。 ご主人の編み出した特殊な技法により作られているそうである。)

外に出ると、蕎麦で温まった身体に、まだ冷たい風が心地よい。

忘年某月某日

なかなか面白い企画に参加させていただいた。
江戸蕎麦を、外国人留学生に知ってもらおうという企画である。

一、伝統の江戸うち蕎麦の作り方
二、江戸の辛汁の味の違い(名店三店のつゆの食べ比べあり)
三、蕎麦がきを職人さんに教わり、実際つくりあげる

この三点を、神田の老舗の蕎麦屋さんで、夜八時から十時までの2時間、皆さんで交流を深めながら楽しもうという、フレンドリーな企画である。

30人前の蕎麦を打つのに、のしから始まり、切るまで約17分かかる。
非常に繊細な作業で、厚さのぶれが無いよう、均一に薄くのす(約1.5ミリ)。
それが、包丁の繊細で素早い動きで、綺麗な細さに整えられて行く。
その様は、芸術的である。

次に蕎麦を、まつや、藪蕎麦、更科の特徴ある三種類のつゆにつけ食べ比べをして見る。
こんなに違うものかと思うくらい個性がある。

最後に、厨房にいれていただき、蕎麦がきの実習。
底の丸い雪平鍋(蕎麦がき専用)で、直線を書くようにすりこぎで練り上げる。
滑らかになるまでは大変な重労働。
これからは、蕎麦がきを注文するのに気楽に注文できないと思うほど大変な作業で、素人は腕がブラブラになるのは必至。
練り上げたのち、大きな釜で茹で上げ、お楽しみの試食へ。
多少ダマがあるが、ご愛嬌。うまい!

蕎麦についての歴史や、知識を頂いて、大満足のひと時となった。

神田の蕎麦屋のご主人方、大変ありがとうございました。

忘年某月某日

久し振りに、浅草に来た。
雷門の横には、先月より開業したスカイツリーが、みえる。

私のこと、当然スカイツリーを、見に来たわけではない。
老舗の蕎麦を食べにきた訳である。

このお店は、この前建て替えが終わり、やっと営業が始まった。
現在、3代目がお店を守っている。
この守っているという言葉は、あとの事柄で 理解していただけると思う。
現代、繁華街で建て替えると言うことは、高層のビルにしてしまうのが常識のようである。しかし、このお店は、入り口に立つとわかるが、寸分たがわずに、昔のままの風情で建てられている。
この地域は、建て替えの場合、木造建築は駄目で、鉄筋コンクリートのビルの構造にしなければならない。そのため、わざわざ昔の木造のたたずまいをコンクリートで再現し、二階建ての木造に見えるように作った。中の客席の配置、座敷の高さも、前と同じにつくらせている。すなわちコンクリートのビルの中に、木造住宅を立てたような、非常に手間をかけた作りになっている。
かえしを寝かす部屋も、前と同じに、土の中に壺を埋めた。その中にかえしを寝かし熟成させるよう、幅高さ等も元のままにつくられたそう。 二代目に教えられたことを変えずに守って行く姿勢の現れと想う。

葱は、主人がまな板を使わずに、薄刃包丁でネギを三本束ね、削ぐようにして切って行く。これは2代目の「葱は口に残ってはいけない。薄く薄く切るように」との教えから、人に任せず、機械に頼らず、主人自らやるのが伝統だそうだ。
つゆも、江戸のから汁で、同じ系列の中で、一番辛いのではないか。

ざるを頂く。
ざるを裏返し、曲面の出っ張った方に、蕎麦を盛り付けている。
これは、水気が均等に抜けるように、考えられているそうだ。
やはり老舗の味、蕎麦の喉越し、つゆの風味大変満足。

さっと頂き、店を出る。
中のお姉さん方の気配りが心地よい、老舗の蕎麦屋さんである。
作り手、運び手各々が、プライドを持って老舗の味を守っている。

近代的なスカイツリーと対象的な光景の一場面だった。
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