3月に、品川の御殿山小学校にて、「Lecon de Gout(ルソン ド グゥ) 味覚の授業」を行なって参りました。
Lecon de Gout(ルソン ド グゥ)
とは、フランスで1990年から行なわれている授業で、毎年10月の第3週を「味覚の週間」と名付け、その一週間は小学生を対象に、味の基本を教えるものです。
今回は、
小学校3年生を対象に、砂糖、塩、酢、ビターチョコレートなどを試食しながら、「甘い」「しょっぱい」「酸っぱい」「苦い」の四味それぞれの味を覚えて貰うという、味覚の原点を教える授業を行ないました。40分間の授業の中、子供たちの新鮮な発想に驚かせられながら、楽しく学習させて頂きました。
美食の国フランスでも、ファーストフード、レトルト食品の氾濫、家庭料理の簡便化などにより、子供たちの食環境が非常に乱れ、深刻な問題になってきています。
そのような状況の中、フランス味覚研究所のジャック・ピュイゼ氏(ワインの醸造学者でもある)が、Lecon de Gout(ルソン ド グゥ)を始められました。
この授業は、ブーランジェ、パティシエ、シェフなど、食の専門家が、ボランティアで行なっています。かのジョエル・ロブション氏や、パリの三ツ星レストラン“ルドワイヤン”のシェフ、クリスチャン・ル・スケール氏なども参加されています。
日本では、日本味覚協会の内坂芳美会長と三国清三氏が主体になって活動されています。
日本においても、レトルト食品やコンビニエンスストアの食品などで、家族それぞれがバラバラに食事を摂る時代になってしまいました。塾通いで、コンビニエンスストアやファーストフードなどで空腹を満たす子供たちが増え、食の乱れは深刻です。昔のように、家族だんらんでという風景が少なくなってきているのは事実でしょう。このような状況の中、日本の子供たちも、「食を通じての健康」はもとより、家族と触れあうことによる「心の健康」までも失いかけているのではないでしょうか。
私としましても、食に携わる仕事を致しておりますので、微力ですが、未来の子供たちの「食を通じての健康」及び「心の健康」に少しでもお役に立てれば幸いと思い、活動に参加させて頂いております。 |