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いずれの場合も宗教に、特に現在ではキリスト教の布教に密接な関係が有るようです。 クリスマスにあたる12月25日は冬至の「後」で、太陽がよみがえる日としたミトラ教(元ペルシアの大神、インドヨーロッパ民族の古い神)の教義にも合い、キリスト教はローマ人の間では軍人、兵士の間で崇拝され、ヨーロッパ各地に伝播する機会を得て行き、その為、宗教上の儀式に使われた焼き菓子の供え物も、後世にキリスト教のものとして定着したとみられます。
ゲルマンの冬至の祭りも同じ冬至の時期で、初代キリスト教の指導者達が、こうした農耕上の祭りに主イエスキリストの降誕を結びつけたのが「クリスマス」の定着の背景のようです。
宗教的妥協で、キリスト教の普及に伴いゲルマンでも伝統的民族宗教と習合する中で、シュトーレンが坑道の意味や、長いパンを指してきた物が、何時しか宗教的意味合いを求められ、「命名の由来はキリスト」の「イエスの揺りかご」や「着ぐるみ」と付け加えた可能性は高いとみられます。特に、今のような形にシュトーレンがなったのは、14世紀、16世紀以後の食文化の質的な向上と宗教改革などの布教の歴史的契機と符合するとみられます。 |